私たちが普段何気なく目にしている“色(カラー)”ですが、色は身体的、心理的に影響を与えています。
同じギフトでも、色を変更するだけで、受け取る印象が随分と異なります。
このページでは色(カラー)が与える心理的な効果や健康への影響について解説していきます。
Contents
視覚からの情報は80%
私たちは五感を通して外界からの情報を取り入れています。視覚からは87%、聴覚からは7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%の割合になっています。
視覚からの情報はとても影響が大きく、日常何気に見ている環境からたくさんの情報を吸収していることになります。どんな物を見るのか、どんな色(カラー)を見るかによって心理的な影響も大きく変化していきます。
色(カラー)が身体的・心理的に影響を与える3つのメリット
同じ「商品」でもカラーを変えるだけで購買意欲が高まり売り上げが上がることがあります。また商品やお店のイメージは「カラー」を通して伝えることができます。
例えば、ファーストフード店では「レッド」がよく使われていますが、アドレナリンを分泌させ、興奮を促す効果があるため、食欲増進につながることと、回転率を上げ売上を上げることができるカラーです。
色それぞれにメッセージがあり、意識的に色を取り入れていくことで、心理的な影響を及ぼすことができ、行動にも変化がでてきます。
色の持つ心理的効果を理解することで、人に与える印象をコントロールすることができます。
1、色(カラー)は自律神経に働きかける
何気なく見ているカラーは自律神経に影響を与えることが実験によって証明されています。
レッドの部屋にしばらくいると交感神経が優位に働き、ブルーの部屋にしばらくいると、副交感神経が優位に働きます。レッドの部屋とブルーの部屋の体感温度も3℃も違うという実験結果がでています。
レッドは、緊張状態になり、ブルーはリラックスモードになります。カラーが身体的な影響を及ぼすので、お見舞いに行く際にも、相手の状況に応じて必要なカラーを取り入れていくと良いでしょう。
相手を元気にさせたいときにはレッドを、リラックしてもらいたいときにはブルーを取り入れてみるのも良いかもしれません。
◆レッド(赤)【交感神経】アドレナリンやノルアドレナリンが作用する。心拍数が速くなり、血管が収縮し血圧が上昇する。
◆ブルー(青)【副交感神経】アセチルコリンが作用する。心拍数が遅くなり、血管が拡張し、血圧が下がる。
2、皮膚は色や光を感じることができる
私たちがカラーの違いを感じるのは、光の波長の違いを感じます。
400 nmの波長の光はバイオレット(紫)で、 650 nmの波長の光はレッド(赤)になります。中間色であるグリーンは(緑)で550nmの波長の光をしています。
色(カラー)は視覚的に取り入れるだけではなく、皮膚からも感じることができるのです。
例えば、冬の寒い時期で足が冷える場合は、赤い靴下や赤いブランケットを送ると他のカラーの靴下やブランケットよりも暖かく感じられます。暖色系と寒色系では体感温度が3℃も変わるので、季節に応じてプレゼントするものを選ぶのも良いかもしれません。
特に肌に触れるカラーは慎重に選ぶことで、カラーのポジティブな効果が得られます。
3、色(カラー)で感情が動く
大まかに分けてカラーには寒色系と暖色系があり、寒色系を見ることで冷たさを感じさせ落ち着きを与えてくれます。暖色系を見ることで暖かさを感じ、活力やエネルギッシュな気分にさせてくれ、同じ物でもカラーを変えることで心理的な影響が異なってきます。
カラーの持つメッセージを知ることで、人の心に働きかけ感情を動かすことが可能になります。
お見舞いの品を選ぶ際に、意識的にカラーの効果を取り入れてみると、より効果的な贈り物になるでしょう。
お見舞いに取り入れると良いカラー
お見舞いに行く際には、病気や怪我で闘病されている方に明るい気分になってもらえるカラーを取り入れていきましょう。
「病は気から」と言われますが、病気になって気が滅入っていると治りも遅くなり、ポジティブな心理状態でいると治り早くなります。
病院のような殺風景ではどうしても寂しい印象を与えます。病院では患者さんの顔色が分かりやすいということで、壁や布団などホワイトが多く取り入れられています。
ホワイトは清潔感があるカラーですが、同時に緊張感を与えるカラーでもあります。使用されている面積が大きくなると心理的に与える影響も大きくなるでしょう。
そんな環境の中に華やかなカラーのものが入るだけでも気分が明るく高揚感がでてきます。
お見舞いに行く際には、その方に合ったポジティブな印象を与えるカラーのプレゼントをすると元気付けることができるでしょう。
【レッド/赤色】 やる気や活力を高めてくれる
レッドは特に病院では「血液」を連想させます。頬が赤いと血色が良く見え、健康的に見えます。
ポジティブなメッセージには、「生命力」「エネルギー」「パワー」といった意味があります。
レッドにはアドレナリンを分泌させ興奮を促す効果があるので、気分を高揚させ活発に行動していく気分にさせてくれます。食欲がない方には食欲を促進してくれるカラーです。
見ていて美しいハーバリウムなどを贈ると喜ばれるでしょう。
赤の面積が大きすぎると病院ではネガティブな意味での「血液」を連想してしまい、ネガティブなメッセージとして捉える方もいるでしょう。
レッドには「危険」「怒り」「抵抗」というネガティブな印象を与えることもあります。
【ホワイト/白色】リセットして気分一新に
光を反射する最も明るいホワイトは、心を清めて浄化してくれるカラーです。
ホワイトには「祝福」「可能性」「神聖」というポジティブなメッセージがあります。同時に「虚無感」「冷たい」「緊張」というネガティブなメッセージもあります。
病院ではホワイトのものも多くありますので、贈り物でホワイトを選択する場合は素材や雰囲気の柔らかいもの、優しいものを選ぶとカラーの持つポジティブなメッセージを効果的にするでしょう。
【バイオレット/紫色】心身の癒しに
レッドとブルーが混ざったバイオレットは、両極端の二面性を持ったカラーです。
活力を与えてくれると同時に鎮静効果をもたらしてくれるヒーリングカラーになります。
バイオレットのポジティブなメッセージには「精神的な癒し」「思考を鎮める」「催眠効果」という意味があります。さまざまなネガティブな思考が渦巻いて安眠できない方には、バイオレットを取り入れてみると良いでしょう。
バイオレットにもさまざまなカラーがありますが、ペールバイオレットやライラックのような薄い紫色を取り入れてみましょう。
パジャマや枕にはライラックカラーのタオルを敷いたりすると良いでしょう。癒し効果があるカラーなので過剰になっている思考を鎮めてくれるので、贈り物にも良いカラーです。
【オレンジ/橙色】元気に明るくポジティブに
レッドとイエローを混ぜたカラーのオレンジは、ビタミンカラーと呼ばれ、明るくビビッドなカラーは元気にフレッシュな気分にさせてくれます。
病気や怪我で闘病されている方の気分が落ち込み気味になっているときや、なんとなくネガティブモードになっている場合には、オレンジを取り入れることで明るい気分にさせてくれるでしょう。
オレンジのポジティブなメッセージは「陽気さ」「好奇心」「健康」という意味があります。
「早く元気になってくださいね!」というメッセージをカラーに込めて、贈り物をすると良いでしょう。
【イエロー/黄色】希望を持って楽しい気分に
有彩色の中で一番明るいカラーのイエローは、太陽のようなイメージを与えます。
太陽を見ているとポジティブな気分になり、太陽の光を浴びると体内時計(生活リズム)がリセットされ、体と脳の活動を活発にすることができます。
太陽の光は気分を落ち着かせて心のバランスを整え幸せな気分にさせてくれる、セロトニンの分泌を促すことができます。
イエローのポジティブなメッセージには「明るい」「幸福」「楽しい」という意味があります。イエローのカラーを取り入れることで、不安感や心配を手放し、明るい未来を想像するサポートをしてくれるでしょう。
イエローのお花は明るい印象を与えてくれますが、花言葉がネガティブなものが多く、お花を送る際には花言葉に気をつけて贈りましょう。
【ピンク/桃色】優しい愛に包まれる
桜の花を象徴する優しい雰囲気のピンクは、女性にとっては女性ホルモンの分泌を促してくれる効果もあります。
ピンクにもさまざまなカラーがありますが、ベビーピンクのような薄いピンクを取り入れてみると良いでしょう。
パジャマやタオルなど面積が大きいものを取り入れることでピンクの恩恵がより得られます。
ピンクのメッセージには、「愛」「優しさ」「柔らかさ」などの意味があり、優しく穏やかな気分にさせてくれます。
【ブルー/青色】心の安らぎと開放感をもたらす
青空や海など広大な自然のカラーであるブルーは、開放感やリラックス効果があります。
寒色系のブルーは副交感神経に働きかけ、血圧・脈拍・呼吸数などを低下させてくれます。
青空の下で両手を広げると呼吸も深くなり、ゆったりとした気分になっていくでしょう。日常生活と違って病院は落ち着かないことも多くあります。そんな時は、リラックスができるブルーを取り入れてみるといいでしょう。
ブルーのポジティブなメッセージには「開放感」「安心感」「穏やかさ」などのメッセージがあります。
ハーバリウムなどの透明感あるブルーのものを贈ることで、安らぎと落ち着きをもたらしてくれるでしょう。
【グリーン/緑色】心身共にリラックス
木や山などの自然のカラーでもあるグリーンは、落ち着きを与えてくれます。森林浴をすると心身ともに清々しい気分になり、リフレッシュ効果があります。
グリーンは目に効果的と言われており、目の疲れを癒してくれるので、病室ではどうしてもスマートフォンやパソコンを見る機会が多い方にとっては、グリーンが効果的です。
グリーンは自律神経の一つである副交感神経に働きかけ、鎮静作用で緊張感を緩和してくれます。グリーンのポジティブなメッセージには、「バランス」「健康」「希望」という意味があります。
未来希望を持って心身のバランスをとり、健康へと導いてくれるというイメージです。
「希望を失わないように」というメッセージを込めて、グリーンのものをプレゼントするといいかもしれません。
【ブラウン/茶色】安定感と落ち着きを
ブラウンは木などのイメージから自然を感じさせ、大地のどっしりとした印象を与えます。
ブラウンのポジティブなメッセージには、「温もり」「安定」「安心感」といった落ち着いた意味があります。居心地が良い雰囲気を取り入れたいときにはブラウンのものを贈ると良いでしょう。
ブランケットやタオルなど面積が大きいものを取り入れることで、より安定感を感じることができます。華やかなカラーではないけれど、ゆったりと落ち着いた気分にさせてくれます。
お見舞いにはNGな2つのカラー
色のメッセージにはどのカラーにもポジティブなメッセージとネガティブなメッセージがあります。お見舞いには適していないメッセージを持つカラーがありますので、プレゼントする際には気をつけましょう。
お見舞いにはタブーのカラーがある!?
例えば、「お見舞いの品」を手土産で持っていくときに、同じものでもカラーによって受け取る印象が異なります。お見舞いには根が深く根付いている「鉢植え」は入院を長引かせるイメージを抱かせるためお見舞いの品としてはタブーとされています。カラーによっては喜ばれるカラーとお見舞いにはタブーのカラーがあります。
視覚的にも印象が大きいカラーは、贈る相手に対してのマナーでもあります。意識的にカラーを取り入れることで、自然にカラーの効果で相手を元気付けるたり、癒し効果をもたらしてくれます。
1、【ブラック/黒色】悲しみと絶望感
ブラックはカリスマ性をもたらしたいときに取り入れるポジティブなメッセージもありますが、「喪服」など象徴するように死を連想するカラーでもあります。「高級感」や「威厳」「プロフェッショナル」などのポジティブなメッセージもありますが、「絶望」「孤独」「悲しみ」などネガティブなメッセージもあります。お見舞いにはどうしてもネガティブなメッセージになる傾向が強いので、ブラックのものは避けておきましょう。
2、【グレー/灰色】曖昧ではっきりしない
グレーは白と黒を混ぜてできるカラーで、白黒ハッキリしていなく曖昧なカラーになります。ポジティブなメッセージには、「落ち着き」「洗練」「中立」という意味もありますが、ネガティブなメッセージには、「あいまいさ」「迷い」「無気力」という意味があります。お見舞いなので曖昧な状態が続くことは病気が完治しないというメッセージにつながるので、グレーの贈り物は控えておきましょう。
お見舞いに行くときの服装のカラーも大切
お見舞いに行くときには、面積が大きい服用のカラーも気をつけていきましょう。何気に視覚から入る情報の影響はとても大きく、特に病院で見るお洋服のカラーがブラックやグレーだと印象が暗くなります。おしゃれな空間でブラック/グレーのお洋服を着るとスタイリッシュでカッコいい大人の雰囲気を演出することができます。場所によってポジティブなメッセージが強まる場と、ネガティブなメッセージが強まる場があります。お見舞いに行く際には、病気や怪我で闘病されている方に配慮するようにお洋服のカラーの選択も心掛けましょう。
まとめ
私たちは常に五感を通して情報を取り入れて身体的にも心理的にも影響を受けています。意識的にカラーを取り入れることで、効果的に影響をもたらすことができます。お見舞いで贈り物をするときや、お見舞いに行くときの服装など意識してカラーを取り入れてみましょう。
コメントを残す