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闘病記
私は27歳の時に潰瘍性大腸炎という病気を発症しました。
当時私は新婚で、公務員の夫と二人暮らしをしており、専業主婦として幸せな生活を送っていました。
私は便秘症なので便が出ないことも多かったのですが、そんな私が一日に何度も下痢をするようになりトイレに駆け込むことが多くなったことで、何か体調がおかしいなと感じ始めました。
次第に便が水のように形のないものへと変化していき、腹痛もひどくなっていきました。
トイレに行く回数は日に20回程度まで増え、夜寝ていても腹痛と便意で飛び起きることもままあったのです。
そしてある日、便が真っ赤になり自分が重病だということに気が付き病院に駆け込むことになりました。
病院の消化器内科を受診すると、さっそく受診の1週間後に大腸内視鏡をすることになり下剤などの説明を看護師さんから受けてその日は帰宅しました。
そして1週間後に大腸内視鏡を受けた結果、医師から潰瘍性大腸炎であると告げられたのです。
そして病気発覚から6日後に入院することが決まりました。
私は当時この病気を知らなかったのですが、厚生労働省に認定される特定疾患で難病指定の病気であることを知った時は絶望感を感じてしまいました。
難病であることや完治がないこと、また子供を授かった際に遺伝する可能性がゼロではないことを担当の医師から説明された時はとても苦しかったです。
夫もとても悲しんでおり、新婚早々にこんな病気になってしまったことが申し訳なくて離婚を申し出てしまうくらいひどいショックを受けてしまいました。
また病名を告げられた際に医師から潰瘍性大腸炎は国が指定する特定疾患であることから公費の申請をすると入院費や薬代などを援助してもらえると聞いたため、さっそく公費申請をすることにしました。
この申請を行う際には住民票や所得証明書などあらゆる種類の書類を市役所で集める必要があり、体調が悪い中申請を終了するのは一苦労だった記憶があります。
しかしこの公費を申請したその日から医療費が助成されたため入院費などの心配がいらず大変助かりました。
当時の私は専業主婦だったこともあり、仕事に関しての心配なく治療に専念できたことは不幸中の幸いだったように思います。
私が入院後に受けた治療は、絶食とステロイド治療でした。
絶食はお腹を休ませるのに大変有効だそうで、傷ついた大腸のためには必須だと説明を受けました。
口にしていいのはお水やポカリスエットなどのスポーツ飲料のみで、点滴も併せて使ってはいたものの空腹感はかなり辛かったです。
病院は一斉にご飯の時間になるのですが、そのご飯の香りを嗅ぐたびに食べ物への欲求が強くなってしまい苦労しました。
またステロイド剤の使用によってムーンフェイスになってしまい顔が真ん丸になり、顔全体にニキビができ容姿もずいぶん変わってしまったため鏡を見るのが辛かったです。
しかし、そんなステロイド治療の甲斐があって下痢も下血も無事治まってきて、入院から1ヶ月半ほど経過したころには潰瘍性大腸炎の症状はほぼ落ち着き寛解に至りました。
次第に食べ物も普通に食べられるようになり、入院から2ヶ月で退院という運びになりました。
ステロイド剤は徐々に減薬していく必要があるため、退院後は週に1回通院していましたが半年ほど通院をした頃には無事断薬に成功し、寛解した状態も維持していたことから通常の生活に戻ることができました。
現在も予防薬としてメサラジンを服用していますが、ずっと寛解を維持できています。
この病気に苦しむ方は年々増加していますので、今も闘病している仲間がいるかも知れません。
潰瘍性大腸炎はとても辛い病気ですが、きちんと治療をすれば必ず生活を取り戻すことができます。
まずは焦らず、ゆっくりと心身を休めて治療に専念して下さいね。
うれしかったお見舞い品と理由
入院生活はとても退屈なものなので、本や雑誌をお見舞いとしてもらえるのがとても嬉しかったです。
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